【Tips】JUNKデカールの使用法
年に数回セールで放出する“JUNK”であったり、“ジャンク扱い”の期限切れデカール。
抜き取りチェックでまだ使える事は確認していますが、使用するにあたってなにか注意することは?というお問い合わせがあり、少し考えてみました。
ただ、これは言い換えれば新しくともジャンクでもデカール全般で注意すべき事でもあると思いますので書き残しておきます。
1)水に浸けすぎない
使用する部分を切り取って水に浸けますが(ぬるま湯程度が良いといわれています)、長い時間浸けすぎると糊の成分が溶け出して薄くなってしまいます。
台紙に水が浸みたらすぐに取り出して、吸水性の良い布や紙の上に拡げて置きましょう(キッチンペーパーや洗車用セーム等があればより良い)
帯などの場合、水に浸けるとクルッとカールしますが、水分を吸って伸びてきたらすぐに引き上げましょう。
水に浸けた段階で印刷面が粉々になるものは使用できません、アウトです。
2)台紙から動くようになるまでじっくり待つ
無駄な水分を吸い取らせながら、台紙からデカールが指で動くようになるまで焦らず待ちます。
乾燥するまで放置してしまってはダメですが、全体に水分が行き渡りデカールの下の糊の成分が適度に溶けて指でそーっと動かすと動くようになります。
製作から時間のたったデカールは、新しいものよりこの段階に時間がかかる事があります。
全体の糊が溶けていないうちに無理に動かすと、ヒビが入ったり裂けたりしますが、これは新しいものでも同様です。
3)台紙からスライドさせて位置決めをする
台紙からはがさずに、台紙ごと転写対象の上に置き、ゆっくり台紙をスライドさせて抜き取る要領で位置決めをしていきます。
糊成分が濃くて位置決めに邪魔になる場合は、小筆や綿棒(ケバ立ちに注意)に水を含ませたもので部分的に水分を付加しながら位置を決めます。
逆に糊成分が薄いと感じたらデカールセメントの類(例:タミヤ87176 デカールのり等)で調整します。
4)軟化剤は上から塗る
綿棒に水を吸わせて軽く絞ったものや、小筆や平筆を駆使して余分な水分を押し出しできる限り密着させます。
軟化剤を使う場合は上から塗ります。
軟化剤は製品により強弱がありますが、デカールを溶かして密着させるものなので、デカールの裏面(糊側)には付かないように気を付けます。
軟化剤が両面についてしまうと帯などは簡単に溶けてしまいます。
水溶性の軟化剤で“濃いな”、と思ったら軟化剤自体を薄めて使うのもありでしょう。
これを逆手にとって、慣れた方であえて裏面にも軟化剤を塗って手際よく貼る方もいらっしゃいます。
柔らかくなったら前述の水綿棒などで押さえ完全に密着させます。
昔のテクニック本等では蒸しタオル等を使った例がよく出てきます。
5)切れても焦らず
細帯など貼っている途中で切れても、焦らず継ぎ足して貼っていきましょう。
デカールは殆どの場合下地隠蔽用の白版がありますので、重ねて貼ってもそれほど問題ありません(白帯は重ねるとそこだけ濃くなってしまう場合がありますのでご注意)。
6)クリアーコートが一番大変?
完全に密着、完全に乾燥してからクリアーコートをしましょう。
水分や僅かな隙間が残っていると、そこから溶剤成分が侵入しせっかく貼ったデカールが溶けてしまいます。
最初は霧のように細かくうっすらとデカールをカバーするように吹き付け、溶けてこない事が確信できたら少し厚めに吹き付けます。
ここがなんとも感覚的で説明が難しいところでもあります。
水性クリアーは溶ける失敗が少ないと言われますが、塗面が柔らかく黄変や融着など長期保存には向いていないとも言われますので、個人的にはお勧めしません。
研ぎ出しと呼ばれる手法も水性では多分うまくいきません。
とりあえずこんなところですが、また気が付いたことがあれば追加していきます。